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秋田犬の伝説を追って◆もうひとつの忠犬物語

2018年10月27日更新

秋田犬の伝説を追って◆もうひとつの忠犬物語

国道103号線、葛原バイパスを走っていると、必ず視界に入る「忠犬シロを祀る 老犬神社」の看板。忠犬シロ?
以前から気にはなっていましたが、いつも調査を先延ばしにしてしまっていました。

意を決して調べてみると、そこには人と犬の絆を描いた「もうひとつの忠犬物語」が。老犬神社が建てられたゆえんも、物語に触れることで明らかになりました。

まずは下記をご一読ください。

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その昔、旧南部領(今の鹿角市大湯付近)に、天下御免の狩猟免状を与えられていたマタギがいました。

マタギの名は、定六。定六はシロという秋田犬を飼っていて、狩りに出かける際には、必ず彼を連れて行きました。

ある寒い冬のこと。定六とシロは獲物を追って、鹿角境を越え三戸城(青森県三戸郡)の近くまで行きます。
しかし獲物を見失った上、帰路につこうとした矢先、突然数人の男たちに取り囲まれてしまいます。

男たちは役人で、定六が城の近くで発砲した罪を問い詰め、彼を投獄しようとします。
悪いことに、その日に限って定六は、「狩猟免状」を携帯していなかったのです。

役人に対し、定六は必死に事情を説明しますが、まったく聞き入れてもらえません。
そして定六は、あえなく投獄されてしまいます。

窮地に追い込まれた定六は、家から免状を取ってくるようシロに伝えます。
家まで60kmの長い道のりを単独で戻ったシロは、定六の妻に向かってせわしなく吠えますが、彼女には何のことだかさっぱり分かりません。

シロは再び、定六の元へ駆けつけます。何も持っていない愛犬の姿に肩を落とした定六は、もう一度シロに免状を持ってくるよう語りかけます。
するとシロは疲れた体を休めることなく、再び雪の山河を走り抜け、家に着くなり今度は免状の置き場である仏壇の下で激しく吠えました。

ようやく免状のことだと気づいた妻は、それをシロの首に結び付けるのですが……みたびシロが定六の元へ駆け戻った時、すでに定六は処刑され、無惨に亡骸が横たわっていたといいます。

その日以来、森の山頂からは来る日も来る日もシロの悲しい遠吠えが響き渡り、この場所は今でも「犬吠森」と言われています。

時は移り、定六の妻とシロは、秋田領(今の大館市葛原付近)に移り住みます。
すっかり年老いたシロですが、生来の賢さは健在で、幾度となく困っている村人たちを助けます。

いつしかそんなシロを村人たちは「老犬さま」と呼ぶようになり、彼亡き後も神社を建て、長きに渡ってシロへの感謝と愛情を守り続けてきたのです。
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これが「もうひとつの忠犬物語」と言われる、シロの物語。伝説には諸説あり、それぞれ展開が若干異なりますが、今回は最も違和感の少ないストーリーを紹介しました。

なお老犬神社では、今でも例大祭が行われています。「本宮祭」は一般見学が可能で、定六のためにシロが運んだ免状の複製品も見ることができるそう。今回の記事で興味をもった方は、来春、足を運んでみてください。

老犬神社 本宮祭/毎年4月17日 11時~